鉛甘味料うるたこんべ

変なもの愛されないものを主とした本、映画、工作、その他の記録

2015-01-01から1年間の記事一覧

あの時代のお話ですよ! 四谷シモン「人形作家」

変なものを作っている人のことは知りたくなるのです。 今回は四谷シモン「人形作家」を読みましたよー。 あらすじ! 今や人形作家としての地位を不動のものとした四谷シモン。いま語られる彼の半生。 あらすじ終わり! 60年~70年代くらいの風景、つまり文化…

脳髄と宇宙の神秘 ボルヘス「伝奇集」

今回はボルヘス「伝奇集」です!「ボルヘスは作家のための作家ー」とかいろいろ噂だけは聞いてたやつを実際どんなものかと読んでみました。 (表紙も素敵です) あらすじ! 宇宙 あらすじ終わり! この本のあらすじらしいあらすじを書くということは私などに…

金田一さんと怪事件探訪 病院坂の首縊りの家(原作の方)

初めての金田一耕助シリーズです!病院坂の首縊りの家! 映画じゃなくて原作の方です! なんでよりによって初の金田一耕助シリーズが「金田一耕助最後の事件」であるところの本作であるかという所でございますが、たまたま古本屋でこの素敵なハードカバーと…

自由落下の加速度で今を生きる 俺たちに明日はない

ボニーとクライド! 「出会ってしまった危険な2人」の代名詞でもある彼らは何者であり、どう生きてどう死んだのか? 気になったので見てみました。映画!俺たちに明日はない! あらすじ! たまたま出会ったボニーとクライドはお互いにピンとくるものがあって…

オードリーを連れていきたい フェリーニのローマ

飼い犬が手を噛むので、今回は初めてのフェデリコ・フェリーニです!巨匠! 「フェリーニのローマ」! なんか他に代表作っぽいのがいっぱいありそうな気がするんだけれど、いつも行ってるレンタル屋さんにはこれしかなかった。 あらすじ! これが”フェリーニ…

秋の夜長の皮工作 ミシマスラッシュ式ブックカバー

読書家諸氏、秋の夜長をどうお過ごしでしょうか。 いえ、愚問でしたね。読書家の皆さまは「読書の秋」という古き良きフレーズを免罪符として昼夜を問わぬ読書三昧、現実と虚構の間を縦横無尽に駆け回り仕事や学校に支障が出る日々を過ごされているものと推察…

今時「残酷表現」をやるのは最高にパンク くるぐる使い

前回読んだ本が暗くて長くて爽快感のない類のやつだったので(悪いとは言ってない)、次はサクッと読めて楽しいやつを、と思って積読を見渡したところ、これが一番いい塩梅だったので。 あらすじ! こじらせ少年少女の妄想、空想に容赦ないヌンチャクを叩き…

不憫な松恵は救済されるべきか 鬼龍院花子の生涯

宮尾登美子さんの小説「鬼龍院花子の生涯」を読んだ後、それを原作にした五社英雄監督の映画版を観たので、それについて書きたいと思います。 普段だったら、「原作の方を読んだら映画版とかは見なくてもいいかなー」と思っちゃうんですけど(逆も然り)、今…

罪なき人を痛めつけよう 魔女の秘密展

先日こういう記事を書いたんですけど。 <a href="http://urutakonbe.hatenadiary.jp/entry/2015/08/15/151508" data-mce-href="http://urutakonbe.hatenadiary.jp/entry/2015/08/15/151508">読書家の狂気を表現する 革のブックカバー製作 - 鉛…

読書家の狂気を表現する 革のブックカバー製作

読書家諸氏、お盆はどうお過ごしでしょうか。 帰省や旅行などで長い時間を移動に費やす方も多いことでしょう。 そんな時に旅のお供として重宝するのが本であることでしょう。読書家の皆さまならば長時間の移動はむしろ積読の消化に充てられる大変貴重な時間…

群衆を殺してやりたい 群衆リドル

久々に古野まほろ成分を摂取したく、「群衆リドル」なる本を手に取った次第です。 あらすじ! フツーの元女子高生渡辺夕佳の元に突如届けられたなんかすげぇ館への招待状。せっかくなので恋人の同伴の元ご招待に与ることにしたものの、行ってみた先で出会っ…

私は幸せかもしれない O嬢の物語

マゾとは如何なるものかを世界に知らしめた一冊として有名な「O嬢の物語」を読みました。 偏見かもしれないけれど、特殊性愛とかに関して突き抜けたところまで踏み込んでる書物って作者がだいたいフランス人なイメージがある。「O嬢の物語」も然り。サド侯爵…

一人で強くなるということ バケモノの子

普段あんまり流行りものみたいな映画を映画館で見ることはないのだけれど、誘われたんで公開初日に見に行ってきました。こんなの初めて。 以下の文章は一応、ネタバレ、批判、独自の解釈注意です。 「バケモノの子」予告 - YouTube あらすじ! なんやかんや…

文学で発電は可能か 青い脂

ウラジーミル・ソローキンの「青い脂」を読みました! 自分的に、古典が偉大過ぎる文学界隈で現在進行形な作家はピンチョン、ソローキンあたりっていう偏見があって、「読書とかけっこうする方」とか言っちゃう身としては読んどかないとと思っていたのです!…

アナモルフォシスの冥獣 は破格ミステリ

表紙で気になってた「アナモルフォシスの冥獣」を読みました! この表紙です!素敵!枕元に置いときたくない! 不謹慎界のカリスマ!奇想漫画家!駕籠真太郎の描くミステリの新機軸!これは、新しい! あらすじ! 知る人ぞ知る降霊イベント「アナモルフォシ…

美しき緑の星 あるいはプッチ神父の天国

「美しき緑の星」とかいうなんか異様な雰囲気を放つ映画を見つけたので見ました! なにやらこの映画を見ることで”切断”され、大いなる目覚めに至ることができるのだとか。 はぁ。 あらすじ! この星は地球よりも文明が進んでおり、貨幣制度はなく、機械の一…

この世界に数多ある 不思議惑星キン・ザ・ザ

最近私ちょっと入力過多になっているようなところがありまして、自分の頭の中をあまりちゃんと整理できていないのですが、現状がなかなか特殊なので今の状態で記事を書いてみるというのも面白いかと思ってキーボードを叩き始めるのです。 内容としては一応「…

ゲロまみれの他人=自分からのメッセージ メメント

クリストファー・ノーラン!聞いたことある!と思って、 メメントを見ました! でもよく考えたら聞いたことあったのはクリストファー・ノーランではなく、 エドワード・ノートン(ファイトクラブなどに出演)でした!どうでもいい勘違い! メメント [DVD] 出…

大脱走 は気高く勇敢な齧歯類の戦い

戦争もののコーナーからなんか見ようと思いまして、「大脱走」を見ました。 戦争ものって、ブログをはじめてからも何回か見たことはあったんだけど、暗いやつが多くて、「やっぱり戦争は、やってはいけないと思った。」みたいな人道的な感想しか書けなそうだ…

フランスの歴史は乙女フィルタを通して読む血の通った世界 ブルボンの封印

本を読み終わりました。「ブルボンの封印」という本です。 ブルボンの封印 作者: 藤本ひとみ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1992/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る この本、藤本ひとみさんという日本人の方が書いた本でありながら…

家畜人ヤプーを出汁にブログタイトルを考えよう。

タイトルって大事だと思うのよね! 私のブログなんですけど、初期設定のままなんですよね。 「urutakonbe's diary」ね。 なんて覚えにくいタイトルなんでしょう! 「うるたこんべ」っていうのが既に適当に作った造語で、英単語ですらないからきっと検索かな…

ゲバラに死ぬ  チェ 28歳の革命

チェ・ゲバラ!気になってたんです! だってさーなんかさー、こんなに愛されてる英雄って他にいないんじゃなかろうか。 何回か「チェ・ゲバラ」の名前を検索したことがあるのだけれど、チェ・ゲバラを貶す文言って見たことがないわけです! そんなのってある…

ダンボーの後釜にマッドなあいつは如何か

最近見かける「景色の写真にダンボーがいるとすげぇ絵になる」みたいなやつあるじゃないですか。あれ私もいいなーって思うんですよ。 前回の記事でも「景色の写真って締まらねぇよなー」ってことを思ったところだったので、私もダンボー的なやつを導入しよう…

カメラを持ってうろうろしてたら吉岡鶴子さんのハト胸にお世話になった話

ちょっと前に買ったカメラの野外デビューをしてきました。 本当は桜を撮りに行きたかったんだけど散っとったので(桜散るよ!)、ひとまずチャリでその辺をうろつきながら気になったものを撮ってみるパターンです。 まずは景色です。桜は散ったけど散ったな…

向上心を持って見る 屋敷女 の行き着くところ

ベティブルーのベアトリス・ダルが発狂サイコ女を演じた映画と聞いて、見ました。 あらすじ! もうすぐ赤ちゃんが産まれるわ。あら、誰か来たようね。 あらすじ終わり! 屋敷女 アンレイテッド版 [DVD] 出版社/メーカー: キングレコード 発売日: 2009/01/07 …

やったー!カメラ買ったよー!

カメラが欲しい! そんな衝動が私の中を駆け巡り、ここ2週間くらい、どのカメラがいいかいろいろ調べておったのです。 ネット上で見かけた情報は大体こんな感じ ・フル一眼かミラーレスかコンデジか、用途で選べ。 当然だが大きさは フル一眼>ミラーレス一…

普通の一般人はクズなのか シザーハンズ

先日見た、「ファイトクラブ」という映画に、ヘレナ・ボナム=カーターさんっていう女優さんが出ていたのだけれど、なんかえらい禍々しい女優さんだなーと思って見ていたんだけど、この禍々しさ、既視感があるなーと思って、よく思い出してみると「スウィー…

押井オリジナルだったらよかったのに「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」

「パプリカ」からの派生で「夢」「映画」をキーワードになんかないかなと、漁っていたのだけれど。まとめの中で「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」がやたらと異彩を放っていたので見たのである。 あらすじ! 明日は文化祭だから、どこのクラスも連…

チラ見で輝く映画「散歩する惑星」でシュルレアリスムバーを開業

レンタル屋さんをうろついていた時に、視界の端に「○○する惑星」ってのが見えて、「点呼する惑星?!何故こんなところに?!」と思ってよく見たら「散歩する惑星」だった。「なんだよ…」と思いつつ一応手に取り、煽り文を読んでみると、存外面白そうだったの…

饒舌に噴き出す幻想 「パプリカ」

映画、「パプリカ」を見ました。 だいぶ前に地上波?で放送されたのを見たときは意味が分からな過ぎて寝た記憶があるのだけれど、今になって調べてみると随分と楽しそうな映画に思えてしまい、実際どうだったのかと思って、見ました。 あらすじ! 新しく開発…