アナモルフォシスの冥獣 は破格ミステリ
表紙で気になってた「アナモルフォシスの冥獣」を読みました!
この表紙です!素敵!枕元に置いときたくない!
不謹慎界のカリスマ!奇想漫画家!駕籠真太郎の描くミステリの新機軸!これは、新しい!
あらすじ!
知る人ぞ知る降霊イベント「アナモルフォシスの館」。なんでも故人の死んだシチュエーションのセットに霊を呼び出すんだとか。その中で2日間過ごすだけでえらい額の賞金が手に入るんですって。そんなうまい話に騙されたチョロ松たちが次々に非業の死を遂げていくのです!
あらすじ終わり!
これはいいですよ!
バカミスとの評価をされがちな本書ですが、確かにバカミスではあるし、確実に本格ではないにしても変格まで行くかというとちょっと迷うくらいの破格っぷり。
そう、破格ミステリ!
割とネタは出尽くした感のあるミステリ業界においてこんなにも新しくて面白いトリックに出会ったのは久しぶりだ。島田荘司以来かもしらん(当社比)。
漫画ならではのトリックであり、漫画家ならではの発想だと思うから、小説の形式でのミステリを読んでる人には新しい視界が開けるかも。
駕籠真太郎が描いたからバカミス扱いされてるけど島田荘司が書いたら大傑作になっていた可能性すらあるんじゃねぇの。
解決編を読み終わった今だから全編通して楽しい茶番に読めるのだけれど、初見では普通に怖くて、「あれ、ミステリって聞いてたんだけどホラーだったか?」と巷の評を疑ってしまうところまでミスリードさせられるのでさすがです。駕籠さんたぶん普通に怖い話、とか普通にいい話とかも描けないわけではないんだろうなぁ(絶対に描かないという意味では描けないんだろうけど)。
表題作以外のクソ茶番も素敵です。こっちの方が私の知ってる駕籠真太郎です。
表紙にめげずにレジに持って行った甲斐のある漫画でした!