オードリーを連れていきたい フェリーニのローマ
飼い犬が手を噛むので、今回は初めてのフェデリコ・フェリーニです!巨匠!
「フェリーニのローマ」!
なんか他に代表作っぽいのがいっぱいありそうな気がするんだけれど、いつも行ってるレンタル屋さんにはこれしかなかった。
あらすじ!
これが”フェリーニの”ローマだ!
あらすじ終わり!
巨匠の作品にありがちなストーリーのないタイプの映画です。
特に目的があるわけでもなくただただ「フェリーニの思う所によるローマ」を映像化した、という感じで(巨匠には何か深淵な目的があったのかもしれませんが)追うべきストーリーがないので結構眠くなります。
そして、ちょっとくらい寝てしまってもたぶんそれほど問題がありません。ストーリーがないので。
で、眠くなるからと言ってつまらないということは全くなくて、どちらかといえばかなり面白いっていう不思議な映画でした。なんならもう一回見たいですもん。たぶんまた寝てしまうんだろうけれど。
「巨匠のよくわからん映画」って、よくわからんかったけどこれを「よくわからんかった」って言ったらセンスがない人だと思われるから、「なんか面白かった」くらいには言っとこう、っていう心理、あると思うんですけど(過去記事のなかにもそういうのががたぶんあるのだけれど)、「フェリーニのローマ」に関しては、これは明確に「面白かった」です。
じゃあ何が面白かったかっていうと言葉で表現するのが難しいんですけど、私的にはフェリーニさんの映像に(「ローマ」しか知りませんが)他の映画では類を見ない、「魔術的」な印象を受けました。
いやいや、映画の中には奇跡も魔法もないんだよ。それを「魔術的」ってなんぞや、って話なんですけれども、そう思ったんですもん。
そうですね、感覚としては江戸川乱歩の小説を読んだときに近い気がします。
江戸川乱歩、夢野久作、あたりの日本の幻想怪奇を代表する方々の本って、読んだことのある人なら分かると思うんですけど、他に類を見ない「いかがわしさ」「妖しさ」みたいなのがあるんですよ。で、「これは日本独自のやつだわー」「外人には無理なやつだわー」って思ってたところがあって、だいぶ前にそういう記事も書いたんですけど、
フェリーニさんはそういうのをやってた人なのかもしれないなって。
これは個人的にはなかなかの発見なので、今はフェリーニさんの作品をもっと見たい気持ちでいっぱいですよ!だって外人でこんなのがあるとは思ってませんでしたからね!
フェリーニさんと江戸川乱歩の内容的な共通項としては、「見世物」とかが好きそうなところで、あとは個人的には「筋肉少女帯」で繋がりますが、これはたぶん「私の中でフェリーニと江戸川乱歩が繋がってしまった現象」とは関係ないでしょう。
私のローマ
話は変わりまして、ローマの話です。
今回は「フェリーニのローマ」ですので、ここで表現されたのは、私のローマともイタリア人のローマとも違う、イタリア映画界の怪人(今私が考えた通り名ですが)”フェリーニの”ローマ!なのです!巨匠の目を通すとローマはこう見える!
浅学なもので「私のローマ」はジョジョ5部のローマと、オードリーのいるローマくらいのもので、
イメージとしては、陽気な紳士淑女がピッツァを食んだり、ナンパしたり、フラれたりする、ってくらいのものでありましたので、
オードリーが行かなかった裏のローマでは、
賽が投げられたり、猫も投げられたり、頭にはハトを乗せたり、フレスコ画は消失したり、若者はそこらへんで乳繰り合ったり、年寄は娼館で乳繰り合ったり、
してたのかなーなんて思うとちょっと楽しくなります。
オードリーを連れていけないローマ!
「ローマの休日」と「フェリーニのローマ」を一緒にレンタルするのは案外楽しいかもしれません。
きっと、ローマを知る人の数だけ、それぞれのローマが存在するのでしょう。その中でも(たぶん)特に異質なフェリーニのローマ!
は!
あなたのローマとはどう違うか、確かめてみてはいかがでしょうか?
良くも悪くも必ず新しい発見があると思いますよ!