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鉛甘味料うるたこんべ

変なもの愛されないものを主とした本、映画、工作、その他の記録

ゲバラに死ぬ  チェ 28歳の革命

映画

チェ・ゲバラ!気になってたんです!

だってさーなんかさー、こんなに愛されてる英雄って他にいないんじゃなかろうか。

何回か「チェ・ゲバラ」の名前を検索したことがあるのだけれど、チェ・ゲバラを貶す文言って見たことがないわけです!

そんなのってあるか!?

ナポレオンだろうとカエサルだろうとジークフリートにだって、醜聞、クズエピソードの1つや2つあるものであるし、祖国から見れば英雄でも敵国から見れば悪鬼羅刹そのものなんてことはざらなんでございます。クズエピソードくらいマザーテレサにだってあるぞ!

あと職業「革命家」だなんて!気になってしょうがないわけです!

 

そういうわけで入門編になるかなと思って「チェ 28歳の革命」を見たのです!

 

 

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(後に調べたところによるとチェ・ゲバラを扱った映画はいくつかあるが、時系列順に見ていくのがいいとのこと。それだと最初は「モーターサイクルダイヤリーズ」だって。見たい。)

 

内容としては、「名言と共に振り返るチェ・ゲバラ式革命のススメ」って感じでした。

なんというか、チェ・ゲバラの理念だけを前面に押し出して描いたという感じだったので、史実的な部分に関しては分かりやすい類ではなかったように思います。

だから例えば、政治的な打算的な革命の作法、この拠点から落とせば効果的に革命が進む、とか、戦術どうこう、とか、丸月罰日の革命軍と政府軍の戦いでは革命軍側の死者は何人、政府軍側の死者は何人、とかが気になる人の需要には答えられない映画だったと思います。

 そのあたりを犠牲にしてもチェ・ゲバラの人間像が感覚的に伝わってくるようなつくりは非常に好感触でした。そう、この映画を見ると、こいつについていきたいと思った人たちの気持ちが分かるんです。

ついていきたいっていうのも、「こいつとならうまくやれる」っていうよりは「こいつのためなら死ねる」の方が近いか。「こいつのため」って言いながら祖国のため、自分のためでもあるから(それで矛盾しない)厄介な感覚なのだけど。

キューバ革命って、私の浅はかな理解によれば、最初はごく小規模のゲリラに過ぎなかった革命軍が、市民や農民の信頼を得て、拡大し、遂には革命を成し遂げたっていうのが大まかすぎるストーリーです。

革命は数人の革命家によって成されるものではなくて、大多数のその他大勢の力が必要不可欠なもののようです。

それをまとめるのが革命家であります。

つまり、革命家の素養というのは「こいつについていきたい」と思わせる何か(たぶんカリスマではない)をスギ花粉のように放出できること!なのである!とか思いました!

この映画を見てると、スギ花粉にやられた人たちの気持ちは凄く良く分かるので、革命の空気感、みたいなのを共有してる気持ちになれます。これはいいですよー。

 

で、冒頭の話に戻ります。映画を鵜呑みにする短絡的思考を駆使して思うこと。

チェ・ゲバラは「革命に至る誠実さの技法」みたいなのを体得してるんじゃないかなーって。

映画に出てくるチェ・ゲバラはですね、立場もあるのにいつまでも前線で戦う「人の嫌がることを進んでやる男」だったり、農民に敬意を払えのセリフからも分かるように「本人のいないところでその人を褒めているタイプ」のめっちゃ信頼できる男だったりと、昔の漫画の主人公でもなかなかいないような絵にかいたような聖人なんですよ。

それでいて、行動に全く嘘がないというか、打算や衒いを全く感じさせないんです。だから革命家なんです。

よく考えるとネットで検索した結果にも表れてますよね。

チェ・ゲバラの悪口って全く見つからない。

 

私は過去に「恒常的な泥沼会議」みたいなのに参加していたことがありまして、どげんかしようと思ったところでどうにもならないから黙ってた人なんですけど。その時思ってたのが、一人一人は凄く頭のいいできる人たちなのに、何で集まって集団になると挙げられた中で最悪な意見だけが通るのだろうか?と。集団は愚鈍の王なのかと。

だから集団で目標に向かうとき、方針を決めるのは「信頼できる個人」だったらうまくいくのかしら、みたいなことも考えたのだけど、結局のところ「信頼できる個人」などいない→絶望、という流れが私の中で支配的だったのです。

 

が!

 

ここにきてチェ・ゲバラみたいな人がトップだったら集団はうまくいくだろそりゃぁ。という意見に変わりました。信頼できる人っているんだなぁ!

 

あ、いや、

 

そんな奴はいないからこそ、チェ・ゲバラは英雄なんですね。

絶望