フレディさんは弱そうだった エルム街の悪夢
最近見る映画がなんか「深そう」なやつに偏ってきた気がして、これはアカンと。
ヴェリベストオブ俗物であるところによるこの私がそんな深そうな映画を見て分かったようなことを書いているなんて身の毛もよだちますね。うんこうんこ。
そういうわけで今回は「エルム街の悪夢」を見たので書きます。
いや別に「エルム街の悪夢」が浅い映画って訳じゃないけど「深いー」とかで売ってる映画では、ないよね。
私がフレディ・クルーガーを知ったのは「フレディvsジェイソン」だったか。これも1回テレビで見たことがあったはずだけどあんまり覚えてないし割とどうでもいい。
とはいえ、人々に名を知られたモンスター、狂人、殺人鬼などに目のない私ですから、フレディさんに興味を持つのは当然の帰結であったのです。
あらすじ!
夢の中で襲われる。やばい。寝たらやばい。とか言ってたら自分が周りからやばい奴だと思われたり、友人が役立たずであっけなく死んだりしてもう大変。
あらすじ終わり!
なかなか楽しい映画でした。そういう人だったのか。フレディさん!
睡眠という抗えない身体の反応によって殺人鬼のいる世界へ連れていかれるっていう逃げ場のなさ、夢と現実が混ざって境目が曖昧な感じとか、夢特有の何でもありなやーつとか、あとはフレディがロリコン変態っぽい感じとか、見どころ満載夢いっぱいな内容でございました。
「夢の中の殺人鬼」っていう発想が素晴らしいですよね。デス13はこれのパクリなのかしら。やっぱり「怖い」ホラーっていうのはこう、見ている側の日常の延長に「あるかもしれない」って所をうまいことついてくるようなのが怖いですよね。
寝ない人なんていないし、寝ることを我慢できる人もおそらくいないので、もしかしたら今日の夢の中にフレディさんが現れるかもしれないと思うと夜も眠れないけど結局寝ちゃうっていう恐怖ですよね。ちょっと意味が分からなくなってきた。
まぁとはいえ、おっさんが怖がるほどのものではなかったよ!
たぶん中学生くらいまでなら恐がれたかしらん。
いや例え怖がることができなかったとしてもこの映画はいろいろ思う所があって楽しいんですよ。
フレディさんってなんかシザーマンと重なりますよね。
ちょっと気を抜いた瞬間に「わー!」って現れて、現れた瞬間からBGMがなんか切迫した感じのに切り替わるやつとか。基本主人公は逃げるだけしかできないやつとか。捕まりそうになっても突き飛ばしたら意外とよろめいてくれるからもうちょっと逃げれるやつとか。
フレディさんって割と弱そうですよね。
突き飛ばしたらよろめいてくれるのもそうだけど、夢の中だから何でもありーの割に意外と地道に追いかけてくるから結構逃げられるし、帽子奪われるし。その辺はどうなんだろう子供を怖がらせるのが楽しいからわざとそのぐらいで押さえてるんだろうか。
「フレディvs○○」のドリームマッチとか考えちゃいますよね。夢だけに。
すぐ思いつくのは「フレディvsパプリカ」かな。パプリカの世界に迷い込んだフレディは魑魅魍魎の群れに混じりモブとして一生を終えそう。
「フレディvsアリス」アリスの不思議の世界に迷い込んだフレディさんはアリスを追いかける道中で処刑されたりお茶会に参加したりしてるうちに当初の目的を忘れそう。
「フレディvs加藤秀昭」これでピンとくる人ってたぶんいないと思うんだけど、舞城王太郎の小説に出てくる、頭に穴が開いて昏睡状態になり、夢の中で西暁のヒーローををやってる少年です。フレディさんはぶっ殺される。犯されて殺される。舞城さんの描く夢が好きでねぇ。「阿修羅ガール」でも夢の描写があったな。あの夢でもフレディさんはなんやかんやあって死ぬな。
うん、フレディさんやっぱり弱そう。
そんなことを考えながら見る「エルム街の悪夢」も良いではありませんか。
そういえばエルム街の悪夢ってシリーズで結構いっぱい出てるらしい。
もしかしたら続編では私の考えたドリームマッチのような展開もあるのかしら。
ないか。